奉仕活動

2022.11.27

令和4年度「未来につなぐ生き方講演会」について

11月24日、日本橋中学校における移動例会で、中学生たちと一緒に「未来につなぐ生き方講演会」を聴いた。講師はJAXA宇宙科学研究所準教授の村田泰宏氏。演題は「宇宙の話~臼田から見た宇宙~」だった。講師は長野県佐久市にある臼田宇宙空間観測所の所長でもあるので、そういう演題になったわけである。

日本語の宇宙に当たる英語に”space”と”universe”がある。前者は地球に比較的近い宇宙である。地球の高度500kmくらい、つまり、広い宇宙から見れば地球すれすれの所を回っている衛星があるが、それは地球を90秒くらいで一周してしまう。静止衛星は約1日で地球を一周し、月は1か月で地球を一周する。

この比較的近い宇宙を人間はいろいろな形で利用している。いわゆるGPSや インターネットは宇宙の利用によって可能となっている。天気の現状把握と予測、地形の把握、Google MAPの作成などは宇宙からの地球観測によって行われている。宇宙旅行も、この比較的近い宇宙での出来事である。

日本語の宇宙に当たる後者の英語”universe”は、より広い宇宙であって数字で把握すると地球を取り巻く宇宙環境が如何に狭いかということが分かる。NASAのボイジャーが通信できる最も遠い所は、地球から太陽までの約100倍余りの距離にある。しかし、たとえばアンドロメダ銀河は、地球から太陽までの距離の何と千億倍以上の距離がある。何と果てしないことか!

講演後の質疑応答で一人の生徒から「宇宙人とかUFOは実在すると思うか」という質問が出た。講師の回答は「宇宙人はいると思うけれどUFOは疑わしい」というものだった。広大な宇宙の中には地球と同様の環境を持った星は無数にあるのでそういう星に宇宙人が存在しても不思議ではないが、人間でも地球のすぐ隣の星に行くのでさえ苦労しているわけだから、宇宙人が地球まで来たり地球上空でUFOを飛ばしたりするのは考えにくいというのがその理由だった。

しばしの間、中学生たちと一緒にさまざまな宇宙について思いを馳せることができて、楽しい時間だった。

山口 博嗣